食べられるのに捨てられてしまう食材をフードロス(食材ロス)といい、日本だけでなく世界中で取り組むべき問題です。
日本でもフードロス削減に向けて法の制定や改正を進めており、起業や民間団体のサービスも増えてきました。
キッチンカーも他の飲食店と同様に食材を扱う事業者として、この問題への理解を深めていく必要があります。
今回はフードロスについて、キッチンカーで取り組む方法も併せてお伝えしていきます。
■目次
1 フードロスについて
1-1 フードロスとは
1-2 日本の現状
2 フードロスへの取り組み
2-1 食品ロス削減推進法
2-2 食品リサイクル法
2-3 フードバンク活動
3 キッチンカーでフードロスに取り組む方法
3-1 需要予測を行い、在庫の量を見直す
3-2 食べられる部分まで捨てない
3-3 企業や民間団体のフードロス削減サービスを利用する
4 まとめ
1 フードロスについて
2015年に国連サミットにおいて採択されたSDGsは、国際社会全体で取り組む目標です。
SDGs達成に欠かせない、フードロス削減について確認していきましょう。
1-1 フードロスとは
フードロス(食品ロス)とは、本来は食べられるのに捨てられてしまう食品のことを指します。
先進国では特に多くフードロスが発生しており、深刻な問題となっています。
このフードロスを含め食料廃棄によって世界中で発生する二酸化炭素の量は、アメリカと中国に次いで3番目の排気量になるとも言われています。
フードロス削減はCO2削減にも繋がるため、SDGsの重要課題である気候変動対策という観点からも重要なポイントです。
1-2 日本の現状
日本のフードロスの全体量は570万トン(2019年度推計)と言われています。
これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2020年で年間約420万トン)の1.4倍相当です。
日本人1人当たりに換算すると、毎日お茶碗一杯分の量の食べ物を捨てている計算になります。
2 フードロスへの取り組み
日本だけでなく世界で取り組むべきフードロス削減。
今の日本では、どのような取り組みがされているでしょうか。
2-1 食品ロス削減推進法
2019年10月から施工されたのが「食品ロスの削減の推進に関する法律」、通称を「食品ロス削減推進法」といいます。
食品ロスの定義や国・地方公共団体などの責務を明らかにし、基本方針や施策の基本事項を定めて総合的なフードロス削減を進めています。
2-2 食品リサイクル法
2001年5月に食品関連事業者に向けて施行された法律で、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」が正式名称です。
食品廃棄物の発生抑制と飼料や肥料への再利用を行うことで、廃棄物を減らすことを目的としています。
レストランや百貨店、ホテルなどの食品関連事業者に向けて、再生利用すべき量の目標を定めています。
2-3 フードバンク活動
フードバンク活動は、フードロスを事業者から引き取り、福祉施設や生活に困窮している方々へ無償で提供する活動です。
包装が破損してしまった製品や印字ミス、過剰在庫などが理由のフードロスが、事業者からフードバンク活動団体へ寄贈されます。
最近では新型コロナウイルスの感染流行に伴う休校により生じた給食のフードロスが、フードバンクを通じて福祉施設や医療機関などに届けられました。
3 キッチンカーでフードロスに取り組む方法
食品を扱う事業者として、キッチンカーでもフードロスに取り組む方法があります。
3-1 需要予測を行い、在庫の量を見直す
賞味期限切れや傷んでしまったなどの理由で、調理されずに廃棄されるフードロスを「直接廃棄」といいます。
まとめて買う方が安いからと、たくさん買って余らせてしまう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
キッチンカーでは決まった曜日に決まった場所へ出店するスケジュールを組む方が多く、需要予測がしやすくなっています。
できるだけ在庫の量を適切に保つことで、フードロスを減らしていきましょう。
3-2 食べられる部分まで捨てない
調理をする中で、本来食べられる部分を廃棄してしまうフードロスを「過剰除去」といいます。
野菜や果物の皮を厚く剥きすぎたり、ヘタや種を取る時に食べられる部分まで切り落としてしまったり…。
日常生活でも起きてしまいやすい過剰除去ですが、食品を大量に扱うキッチンカーでも行ってしまうと膨大な量になります。
野菜の皮を剥く時には包丁ではなくピーラーで薄く剥く、など出来ることから始めてみましょう。
3-3 企業や民間団体のフードロス削減サービスを利用する
SDGsやフードロスの言葉が世間に浸透し、フードロス削減に取り組む企業や民間団体も増えてきました。
簡単に使えるアプリなども増えてきているので、活用してフードロス削減に取り組みましょう。
ランチタイムや閉店時間が近づいてロスが発生しそうになった時、その内容をサイトに掲載にて食べ手を探すサービスです。
レスキューデリというサービスでは、初期費用や月額費用はかかりませんが、買い取ってもらえない商品もあるのでよく確認しましょう。
みなとく株式会社が開発したアプリです。
アプリでクーポンを探して利用すると、販売期限切れの商品を定価の半額程度で購入できます。
コンビニチェーンやドラッグストアなどへ導入が進んでいます。
4 まとめ
今回はフードロスについて、キッチンカーで取り組む方法も併せてお伝えしました。
フードロスは、食料大量廃棄と飢餓のアンバランスさや廃棄物処理に伴うCO2排気量の増加など、現代を生きる人々にとって密接に関わる問題となっています。
今後より良い社会になるように、まずはキッチンカーでも出来ることから始めてみませんか。
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